2015年10月24日土曜日

【TSR】 保護シュナ一歩くんお預かり日記(31)


一歩、海へ!


一歩くん、8歳の湘南デビューです。

秩父で生まれて、海のない土地で育った一歩くん、この至近距離で海を見たのは初めてのことではないかと思います。

ということで、今日は一歩くんを連れて、神奈川県藤沢市の鵠沼海岸に行ってきました。
これから先、海への旅行もあるかもしれないので、その前に一歩くんには海を体験しておいてもらいたかったのです。

打ち寄せる波、潮風、波の音、海から上がってくるボードを抱えたサーファーさん...初めて体験する海に、最初は腰が引けていた一歩くんですが、徐々に海岸の雰囲気にも慣れて、楽しそうに走り回っていました。

相変わらずの一歩くんの順応力の早さには感心します。


江の島ともしっかり記念撮影してきました。

とりあえず海に対してはすぐ慣れてくれたので、特に問題なさそうです。
ただ、ウェットスーツを着てボードを抱えて歩くサーファーの皆さんに対しては、警戒姿勢を取った後に飛び掛ろうとしていました。
どうやら、サーファーさんを今までに見たことのない新種の生物と勘違いしたようです。
日が落ちかかって暗くなっていたので、まぁ仕方がないか...と思いましたが、何人かのサーファーさんを見ることによって、すぐに免疫ができたようです。
一安心。

そして今日、鵠沼海岸に来たのには、もうひとつ理由があります。
一歩をこの店に連れてきたかったのです。

仲良くさせてもらっているトレーナー仲間が小田急の鵠沼海岸駅近くで営んでいるミト屋

  ※この外観画像は一年前に撮影したものです。現在は若干バージョンアップされています!

ミト屋は、犬のトレーニング・ホテル・カフェ等、犬関連の複合施設として営業しています。
そして、土曜の夜には、この商店街の名物と言っても過言ではない『ドッグバー』としてオープンしています。
ドッグバーには、たくさんの飼い主さんとそのわんこたちが集まります。
そして、飼い主さんたちは、犬連れで食事やお酒を楽しむことができるのです。
犬たちは犬たちで、店内フリーの状態で挨拶したり遊んだり、交流を育むことができます。
飼い主さんにとっても犬にとっても『社会化』できる素晴らしい場を、ミト屋は提供していくれています。
日本ではこのような形態の店はほとんどないので、ミト屋は犬飼いさんたちにとってとても貴重な店なのです。
店主がドッグトレーナーだからこそできることではあるのですが、こういった店舗が日本の各地にできると犬と飼い主さんの土曜の夜ももっと変わるのではないかな...そんなことを思ったりします。

で、一歩をここに連れてくるということは...一歩はたくさんの犬たちとノーリードの状態で触れ合わなければならないということになるのですが...
『他の犬を見ると興奮して、吠えて飛びかかって...ダメなんです...』と言われて預かった一歩くん、果たしてレベルの高いミト屋ドッグバー内でのコミュニケーションを上手に取ることができるのでしょうか?
今回のミト屋ドッグバー体験は、一歩くんの預かり卒業検定でもあります。
(預かり卒業検定は、僕が勝手に設定しました<(_ _)> TSRには、卒業検定なるものは特にありません)

先週の髭犬祭での一日をうまく過ごせたとは言え、今回はNO WAY OUTな室内、一度火が付くとその興奮吠えと飛び付きが止まらなくなる一歩くんをこの場所でフリーにすることは、僕にしてみたらちょっと躊躇われることでした。
でも、ミト屋店主なかむー氏が「大丈夫大丈夫。全然問題ない。」と言ってくれたので、そのご好意に甘えて、一歩くんを店内の雰囲気に慣らしつつ、落ち着いたところでリードを外してフリーにしてみました。
一歩くんは声のコマンドでその動作を一瞬止めることができるので、問題起きそうな場合は(かなりでかい声を出す必要があるけれど、)それで止めればいいか...ということで。

まずは店長のトイプーミトと挨拶して...



最初はビビッて吠えていたホワイトシェパードの銀とも落ち着いて一緒にいられるようになって...


何だかんだで意外と平気な一歩くん、ドッグバーでも高い順応性を見せてくれました。

ウチで預かり始めた当初は、他のわんこと並んでオスワリなんてとてもとても...という雰囲気でしたが、ここでは普通にできています。



そして、僕はここまでやらせるつもりはなかったのですが、一歩くんは自ら犬まみれしてました。


まさかまさか、こんな光景を見ることができるとは思っていませんでした。
『犬に無理をさせない』という前提はありますが、やはり何でもやらせて経験させないと...ですね。
犬の限界を勝手に人間が決めてはいけない...ということを、一歩くんに教えられました。
犬の性格を見極めて、どうアプローチすればそれができるようになるのか...しっかり考えて犬を導くことが人間の仕事なのだと思います。

数日前、僕の失敗で、一歩にはやらなくていいことをさせてしまいました。
でも、後になって考えると、その失敗は今日ドッグバーに来るために必要な失敗だったということがわかりました。
そのおかげで、今日の僕は油断することなく、店内で他のわんこや飼い主さんたちと戯れる一歩をしっかりと見守ることができました。


犬の行動の多くは、刺激に対する反応から生まれます。
自宅では決してやらないことだったとしても、このドッグバーのように刺激の強い場所では起きる行動もあります。
トライアルに行く前にできるだけ多くの環境に一歩くんを慣らすということ、そして、レアケースのみに姿を見せるスイッチを見つけるということ、そういった意味では、髭犬祭から今日のミト屋ドッグバーまでの一週間はとても有意義な時間となりました。
トライアル先のご家族には、僕の口から一歩くんのすべてをお伝えできる状態まで持ってくることができました。

  ※この画像は、ミト屋カメラ担当の方からお借りしました<(_ _)> 

今日は一歩くんの卒検のつもりでミト屋に来ましたが、自分自身にも及第点を付けてもいいかな...素直にそんな気持ちになりました。

ただ、まだまだ問題もあります。
チワワのような超小型犬種の子が目の前を横切ったりすると、一歩くんは反応して飛び掛ろうとします。
シュナらしい行動とは言え、それがある限りはフリーの状態の一歩くんから決して目を離すことはできません。
どこまで改善することができるかわかりませんが、早い動きの動物に対する反応をもっと穏やかなものにしていくトレーニングを、できればこれからも一歩くんに続けていってもらいたいと思っています。

一歩くんの顔は、預かり開始当初と比べると、とても優しく自信に満ちたものに変わったように感じます。

   ※この画像は、ミト屋カメラ担当の方からお借りしました<(_ _)> 

今回の一歩くん卒業検定にうってつけの場を提供してくれたミト屋なかむー氏には、心から感謝しています。
そして、ドッグバーで一歩くんと優しく接してくれた飼い主さんとわんこたちにも、本当に感謝しています。
皆さんからのエールを頂いて、一歩くんはトライアルに臨みます。
そしてきっと、一歩くんは自分の手(足?)で幸せを掴むはずです。

一歩くんにはまたいつか、ミト屋のドッグバーと湘南の海に来てもらいたいな...と思っています。

そうそう、この日はエマも一緒にドッグバーに来ていたんです。
でも、エマはドッグバーではほとんど動きません。
リザーブ席で、いつも同じ顔してます。

  ※この画像は、ミト屋カメラ担当の方からお借りしました<(_ _)> 

エマはこういう性格なので、そのままそっとしておきます。
エマもシュナ、一歩もシュナ、シュナもいろいろ、それでいいのだと思います。

一歩との最初で最後の湘南は、本当に楽しい一日になりました。
今日出会った皆さん、本当にありがとうございました。

J.Takagi


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