2014年10月9日木曜日

犬と一緒においで!カモン! (呼び戻しの練習)


最近のこのブログの記事ですが、完全に犬のトレーニングから離れた話ばかりになってしまっていたので、久しぶりにトレーニングについて書きたいと思います。

今回の記事では、とても大切な基礎トレーニングの一つ、『オイデ(Come)』について触れていきたいと思います。

犬がどんな状況下にどんな状態でいたとしても、飼い主から発せられた「オイデ!」の言葉(コマンド)で必ず飼い主の元に戻る行動のことを、『呼び戻し(リコール)』といいます。
この『呼び戻し』という行動をトレーニングで犬に教えることによって、誤ってリードから手を離してしまったり、リードとカラーが外れてしまったりしても、「オイデ!」のコマンドだけで自分の元に犬を戻すことができるようになります。
『呼び戻し』を犬に覚えさせることは、見た目以上に難しいことなので、トレーニングを地道に続ける必要があります。

この、『呼び戻し』ですが、練習を始めるに当たって、ひとつ前提となる条件があります。
それは…『その犬がアイコンタクトを100%できるようになっていること』という条件になります。
犬を呼び戻す際、最初に犬の名前を呼んでこちらを向かせなければならないので、そこでアイコンタクトが必要になる訳です。
「オスワリ」「フセ」のコマンドは、犬がそっぽを向いていても効くことがありますが、『呼び戻し』は犬の意識を確実に人に向けておかないと、ほぼ100%失敗します。
それだけに、『呼び戻し』は人と犬とのコミュニケーション力が試されるトレーニングとなります。


まずトレーニングの最初の段階では、犬一頭に人間二人が付きます。
犬を呼び戻す役割りの人と、犬を押さえておく役割の人、その二人が必要になります。
『呼び戻し』のトレーニングをする際は、犬に『(スワレ・フセ)マテ』の指示を出さないようにします。
何故なら、前述したとおりですが、犬がどのような状態、状況であっても、「オイデ!」のコマンドで呼び戻せるようにしないといけないからです。
このトレーニングをする際に、毎回犬を『(スワレ・フセ)マテ』させた状態から始めてしまうと、犬が「座って待っているときにオイデ!と言われたら飼い主さんのところに行けばいい」と学習してしまう可能性があるので、『マテ』はさせずに抑え役の人が犬をホールドします。

最初から犬と呼び戻す役の人の距離が離れすぎていると失敗しやすくなるので、まず短い距離から練習を始めます。
30~50センチほどの距離で構いません。
呼び戻し役の人が犬の正面約30~50センチ程度の位置に立ちます。
そして、犬の名前を呼びます。
犬と目が合ったら、犬が自分のほうに寄ってきそうな刺激を出します。
手を叩くとか、おもちゃを鳴らすとか、おやつを見せるとか…
そして、犬が呼び戻す約の人のところに戻り始めたら、呼び戻し役の人が両手を広げます。
この手の動きが、『呼び戻し』のハンドシグナルとなります。


犬が自分の足元まで戻ってきたら、褒めてご褒美を与えます。

それを繰り返して、できるようになってきたら距離を延ばしていきます。
そして、犬を寄せ付けるための刺激を抜いていきます。


ハンドシグナルだけで呼び戻せるようになったら、ハンドシグナルの前に「オイデ!」の言葉を付けていきます。

そして最終的には、ハンドシグナルを抜いて、「オイデ!」の言葉だけで呼び戻せるように練習していきます。


最初は家の中等、室内で練習してください。
野外は犬にとって気になる刺激が多いため、いきなり外で練習を始めても失敗する確立が高くなります。

そして、これが最終形となります。


犬がフリーの状態で名前を呼び、アイコンタクトが取れたら「オイデ!」の言葉で犬を呼び戻します。

家の中でここまでできるようになったら、徐々に刺激の高い野外等で、ロングリードを装着した状態でトレーニングしていきます。


で、すみません…ここまでこの記事を書き進めてきてふと気が付いたのですが…
僕はこのブログ内で、過去に一度もアイコンタクトについて記述していませんでした(^_^;
テレコになってしまいましたが、次回の記事でアイコンタクトについて触れていきたいと思います。

『呼び戻し(リコール)』の詳細なトレーニング方法については、信頼できるドッグトレーナーにご相談ください。


すべての犬がいつでもどこでも飼い主さんの『オイデ!』で100%戻ることができれば、犬同士のケンカや事故をかなりの高確率で制御することができるはずです。
そして、万が一、リードを離してしまった場合の犬の逃走も防ぐことができるようになります。

見た目がかわいいトリックや豪快なフリスビーキャッチを犬と一緒にすることも立派なコミュニケーションではありますが、まずその前に『呼び戻し』を愛犬と一緒に習得してみてはいかがでしょうか。
いつでもどこでも、「おいで」の一言でさり気なく自分の犬を呼び戻す飼い主さんの姿って、実はものすごくカッコいいものだと僕は思うのです。


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2 件のコメント:

トトーニョ さんのコメント...

こんばんは!
エマちゃんの動画をみて感激感動です。

私がしつけ方教室に行っているのは
呼び戻しが出来るようになるため といっても過言ではありません。


日々の積み重ねですね。
いつも緩んだモチベーションに刺激を与えて下さって有難うございます^^

Taqua さんのコメント...

◆トトーニョさん

いつもコメントありがとうございます!

エマも今でこそこのレベルまで来ましたけど、パピークラスに通っていたころは、まぁ…もう…ひどいものでしたよ(笑)
クラスの6頭みんなでフリーの後の呼び戻し練習をよくやったのですが、いつもこいつだけずっと戻ってこなくて…(T_T)
何度も恥ずかしい思いをしました(^_^;

呼び戻しは、まず何よりもアイコンタクトを取ることが大切です。
目が合ったら、最初はどんな手段を使ってもいいので(笑)、犬を自分の近くに呼び寄せてください。
それができるようになったら、ハンドシグナルで…それもできるようになったら言葉で…と練習してみてください。
言葉を付ける前に、正面停座させるようにしておくと、後が楽になると思います。

頑張ってください!!(*^-')v