2014年9月28日日曜日

狂犬病のこと (9月28日世界狂犬病デー)


毎年9月28日は『世界狂犬病デー』ということで、今日はアニコムグループ主催の狂犬病セミナーに行ってきました。


9月28日は狂犬病ワクチンを開発したルイ・パスツール氏の命日ということで、世界中の狂犬病の研究者たちによって構成されているGlobal Alliance for Rabies Controlが、たくさんの人たちに『人やその他の動物における狂犬病の影響やその予防法などを知ってもらう』ことを目的として、2006年に世界狂犬病デーを制定しました。
そして、2007年以降は、9月28日に世界中の多くの国々で狂犬病に関するイベントが開催されるようになって、狂犬病の教育活動、犬への狂犬病予防接種等の取り組みが実施されています。


ウチはエマのペット保険をアニコムで加入している関係もあって、以前からこの狂犬病セミナーが開催されているということは知っていました。
無料で受講できる一般の飼い主にもわかりやすい狂犬病セミナーであるという事も知っていたのですが、僕自身が狂犬病に対して、「日本ではもう50年以上、国内での感染による狂犬病の発症はないから、そんなに心配する必要はないだろう」という考えを持っていたので、このセミナーに脚を運ぶことは過去に一度もありませんでした。

でも、ドッグ・トレーナーを目指すようになってからは、「常に犬と触れ合う仕事をしていく以上は、狂犬病に対する正しい知識を持って、それを飼い主さんに伝えていくことも大切」と、狂犬病に対する意識や考え方が徐々に変化し始めました。
もし飼い主さんに狂犬病のことを聞かれて、「今の日本にはない病気だから、心配しなくてもだいじょうぶですよ」という回答しかできないのでは、あまりにももったいない…そう思うようになったのです。
そして、他の重篤な感染病と同様に、日本で狂犬病が発生する日が来るかもしれません。
この先、そんな事態が起きた場合にも、正しい知識を得ておけば狂犬病の蔓延を少しでも食い止めることができるのではないかと思うのです。
そんな訳で、狂犬病に対する自分なりの答えを見つけるために、今回初めてこのセミナーに参加して、狂犬病について勉強させてもらってきました。

『狂犬病はすべての哺乳動物が感染する発症すると致死率100%のとても怖い病気』ということは多くの人たちに知られていますが、実はあまり知られていなかったり誤認識されていることもたくさんあります。
僕もこのセミナーで初めて知ったこともたくさんありました。


2014年現在、狂犬病が発生していない狂犬病清浄地域は、日本を含めて7つの地域しかありません。


アイスランド、オーストラリア、ニュージーランド、フィジー諸島、ハワイ、グアム、そして日本。
この7つの地域以外の国では、何かしらの形で狂犬病が発生しています。

2013年までは台湾も狂犬病清浄国の一つでしたが、300頭以上の野生のイタチアナグマと1頭の犬が狂犬病と診断されたため、狂犬病清浄国から除外されました。
台湾のイタチアナグマの狂犬病は突然発生したような伝え方をされることが多いのですが、研究者の間では、実は100年以上前から野生のイタチアナグマの間では狂犬病があったのではないか…と言われているそうです。

過去に狂犬病が発生していた日本でも、もしかすると同じような事象が発生しているかもしれません。
非常に怖い話ではあるのですが、2013年に台湾で発生した狂犬病については、人への感染は1件もなかったということなので、狂犬病を媒介する鋭い犬歯を持つ野生動物との接触を避けるようにすれば、この病気への感染は避けることができるようです。


ただ、世界中では毎年約55,000の人が狂犬病の発症によって亡くなっています。
そして、その内の約30,000人がアジアでの感染だそうです。
日本国内にいる限りはほぼ感染の心配はない狂犬病も、海外、特にアジアの国々で無闇に動物と触れ合うことによって感染のリスクが高まります。
街中や観光地をカラーも着けずに単独で歩いている犬は野犬である可能性が高く、そういった犬はほぼ間違いなく狂犬病のワクチン接種は受けていません。
そのような犬に『かぷっ』っと行かれてしまった場合、日本国内ならすぐに病院へ…となりますが、勝手のわからない海外でそのようなことが起きると、訳がわからなくなってパニックに陥る人も少なくないのではないかと思います。
海外では矢鱈と動物には近づかないことが大切ですが、それでも何かの間違いで咬まれてしまった場合は、旅行前の事前準備を含めて以下の対応が有効とのことです。

1.流水+石鹸で傷口を洗い流す
狂犬病は怖い病気ですが、狂犬病のウイルス自体は消毒に非常に弱いものなので、傷口を石鹸で洗うことによって、感染を防ぐことができる場合もあるそうです。

2.日本大使館へ連絡して指示を仰ぐ
困ったときの大使館ということで、咬まれたらすぐに大使館に連絡を入れて、治療を受けることのできる医療機関等を紹介してもらいます。
が、大使館が休日の場合もあるので…

3.旅行会社に連絡をして指示を仰ぐ
旅行会社に連絡をして、日本語の通じる医療機関等を紹介してもらいます。
が、旅行会社のツアーによる旅行でない場合は…

4.旅行前に治療を受けられる医療機関を調べておく

狂犬病は発症してしまうとほぼ100%死亡してしまう感染症ですが、狂犬病を疑われる動物に咬まれたとしても、暴露後ワクチンという方法で治療を受ければ発症することはありません。
命も助かります。
なので、海外で犬に咬まれた場合に備えて、すぐに治療を受けられる病院を事前に調べておくといざという時に安心です。
ただし、咬んだ犬が狂犬病ウイルスに感染しているかどうかは、潜伏期間中は検出することができないので、検査だけで簡単に感染の有無を判断することはできないという問題もあります。
(発症の直前、ウイルスが脳に到達すると、唾液からウイルスが排出されるようになるそうです)

いずれにせよ、海外では素性のわからない犬に無闇に近寄ったり触れたりしないことが大切です。
また、キツネ、コウモリ等の野生動物についても、同様の対応が必要になります。


現在、日本には狂犬病はないと言われています。
それは安心で喜ばしいことではありますが、それによって犬に接する人間側に油断、慢心があるような気がします。
日常的に「犬が噛んだ」「犬に咬まれた」という話をよく聞きますが、そのような事故が起きた場合、本来は保健所に必ず届け出をしなければならないという条例、政令が定められています。
ただ、実際にはそのような事故が起きても、届け出が行われるケースは少ないと思います。
狂犬病がない今の日本であれば、それで許されるのかもしれません。

でも、日本で狂犬病が発生したら…

狂犬病に関するルールの施行は、間違いなく厳格化されることになると思います。
咬んだ犬、咬まれた犬はルールに則って抑留されることになり、狂犬病予防接種を受けていない犬は解剖検査をされたり安楽死させられたり…という世の中になることも考えられます。

今回のセミナーで講師をされたある先生がこのようなことを仰っていました。

「何かが起きたときには、人間の命を優先せざるを得なくなります」

狂犬病の研究は専門家の先生方にお任せするしかありません。
でも、犬の命を守るのは飼い主の仕事です。
狂犬病予防接種にも賛否両論あるかと思いますが、何かが起きたときに後悔する事がないように、狂犬病に対する正しい知識を得て、十分な対策を取っておくことが大切だと思います。
そして、毎年9月28日は、犬に関わるすべての人が、狂犬病について考える日になることを願っています。

そして僕は、狂犬病の感染の原因となる犬の『動物を咬む』という行動をなくしていけるように、犬と楽しんでトレーニングをしていきたいと思います。

来年も同じ日に狂犬病のセミナーが開催されると思いますので、興味がある方は是非参加してみてください。
ちょっとしたワークショップあって、楽しみながら狂犬病について学ぶことができます。


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2014年9月23日火曜日

シュナウザー面皰症候群の対策として


多くのシュナウザーとその飼い主が悩まされる病気のひとつに面皰症候群(めんぽうしょうこうぐん)というものがあります。

これは所謂皮膚病の類で、人間のニキビ、吹き出物に該当するものです。
体内から分泌された皮脂が毛穴に詰まって炎症を起こして、プツッと膨れます。
顔、背中、腹、脚、体中すべての場所に面皰はできます。
面皰そのものには痛みも痒みもないと言われていますが、口や足が届く場所は確実に舐めたり掻いたりするので、高確率で二次感染を起こして痒がります。
しばらくするとそれが瘡蓋になって、二週間ほどで取れます。
他の犬種でも同様の症状が出ることはありますが、特にシュナウザーが多く発症する病気なので、『シュナウザー面皰症候群』とも呼ばれています。

病気というほど大袈裟なものではなさそうに感じるかと思いますが、これが全身に一気にできたり、粘膜や腹部にできたりすると、かなり悲惨なことになります。
そして、この面皰の発症を抑える治療法と薬は、今のところありません。

対処法の一つとして、『こまめにシャンプーする』というものがあります。
毛穴をしっかり洗浄して皮脂を洗い流すことによって、面皰の発症を防ぐ方法です。
これはかかり付けの動物病院の獣医師さんに勧められた方法です。
しかし、エマの場合は、マメにシャンプーをするだけではあまり効果は出ませんでした。
シャンプーの仕方や使うシャンプーに問題があったのかもしれませんが…

なので、もう一つ獣医師さんからアドバイスしてもらった方法、『面皰が出やすい食材を見つけ出してその摂取を控えさせる』という方法を試してみることにしました。
以下に『摂取を控えさせることによって面皰の発症を抑える効果が出たと思われる食材』を挙げておきます。
効果の有無は個体差にも依ると思うので、あくまでも参考程度ということで読んでください。

1.小麦粉
かかりつけの獣医師からは、「まず小麦粉を疑ってください。小麦粉を使っているフードやおやつを与えているようなら、小麦粉が入っていないものに変えてみてください。」と言われました。
エマに与えていたフードには小麦粉やとうもろこし粉は使用されていなかったのですが、小麦粉が原料に使用されているおやつを与えていたので、それは使用を止めました。
人間用のチーズと違い、犬用に販売されているチーズには小麦粉が使用されているものが多いので要注意です。

2.かつお節・煮干(犬用)
これは与えた二日後にはもう体中がブツブツになるので、すぐにわかりました。
エマの場合、魚系はダメなようです。
大好きで喜んで食べますが、その後に悲惨なことになるので絶対に与えないようにしています。

3.鶏肉以外の肉
7歳の時までエマに与えていたフードは、ラム肉を使用しているものでした。
そして、手作り食を与えるときもラム肉を与えていました。
おやつのチップもラム使用の物を与えていました。
一時期、フードと茹でたラム肉とラムのチップしかエマに与えていない時期があったのですが、それでも面皰が大量に出て止まらない…ということがありました。
このときに、「ああ、もうエマにラム肉を与えたらいけないのか…」と思い、ラムの使用を止めて、すべてチキンに切り替えました。
すると、エマの面皰はピタっと止まりました。
もしかすると、加齢に依る内臓機能低下のせいで、エマの体がラムの脂肪とたんぱく質を処理しきれなくなってしまったのかもしれません。


上記の3つの食材使用を控えることによって、エマの面皰の症状はかなり落ち着きました。
それでもまったく出ないという訳ではありません。
気が付くと体にプツッ…とできていたりします。

エマもシニアになって食餌面を含めた健康管理がますます大変になりますが、少しでも健康に、そして快適に過ごさせてあげるために、僕も努力と勉強を積み重ねていきたいと思います。


エマの健康管理も大切なんですが…僕自身ももう健康には相当気を使わないといけない歳になってしまっています(笑)

※追記 (2015年11月2日)
某質問サイトの面皰症候群に関する質問に対する回答の中で、ベストアンサーに選ばれた回答者がこの投稿にリンクを張ったようなので追記しておきます。
この投稿に対してリンクを張った回答者ですが、記事をしっかり読んで理解していない状態でリンクしたのか、行間を読まずにリンクを貼り付けたのか、面皰症候群を発症したときの対処方法を曖昧で誤解を招く表現で紹介しています。
疾患に対するアドバイスとしては非常に危険な表現の仕方なので、面皰症候群に対する誤解や誤った認識や対処をしてしまう飼い主さんが出てしまうことを防ぐため、下記追記いたしました。

面皰症候群の発症理由は、固体によってそれぞれ違います。
食が理由で発症しているのに頻繁にシャンプーしても面皰は解消されませんし、逆もまた然りです。
乾燥しやすい肌の子が、冬場に頻繁にシャンプーされることによって肌に問題を起すこともあります。
また、食餌に面皰発症の原因はないのに食の内容を変えてしまうと、シュナが体のバランスを崩してしまう可能性もあります。
もしかすると内臓の疾患が原因で面皰が出ているのかもしれませんし、食以外のアレルギーを持っているのかもしれません。
愛犬の面皰症候群をしっかり治療したいとお考えでしたら、まずはかかりつけの動物病院の獣医さんにご相談の上、検査、治療を行ってください。
インターネット上の情報に惑わされて、意味のない対処、そしてやってはいけない対処をなさらないように、どうかお気をつけください。
大切な愛犬のため、まずは信頼できる獣医さんにご相談ください。


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2014年9月20日土曜日

ドッグランの利用方法


今日は久しぶりに舎人公園に行ってきました。

自宅から近いこの公園はエマの散歩デビューの場所で、たくさんの思い出があります。


舎人公園には彼是半年近く来ていなかったので、数日前から『そろそろエマを連れて舎人公園に行こうかな…』なんて考えていました。
すると、偶然にも今日の朝、アカデミーの同期からナイスなタイミングで『時間があったら舎人に来ませんか?』と声を掛けてもらったので、すっ飛んでいきました。
やっぱりイメージ大切です!(笑)


舎人公園は23区の北東の果て、足立区と埼玉県草加市との境にあります。
戦前から防空緑地として確保されていた土地を利用して作られた公園で、広大な敷地の中にテニスコート、野球場、陸上競技場、大きな池、バードサンクチュアリ、バーベキュー広場等、いろいろな施設があります。

そして、もちろんこれもあります。


そう、ドッグランです。
舎人公園には、結構広めなドッグランがあります。
以前は一つのドッグランだったのですが、現在は大型犬エリアと小型犬エリアに分かれています。
ワクチンと狂犬病予防接種を証明できる書類、鑑札等を公園事務局に持って行って登録手続きを行えば、東京都民以外の飼い主さんと犬でも無料で利用することができます。
自宅から一番近いドッグランという事もあって、埼玉県民である僕とエマも昔から利用させてもらっています。

このドッグランに来る飼い主さんたちと話をしてみると、中には結構な遠方から来ている方も…
僕にしてみたら『自宅からチャリで行けるドッグラン』ぐらいの感覚で捉えている舎人のドッグランも、クルマを使って時間を掛けてでも一度訪れてみたいと思う飼い主さんもいるようです。
近所にこういった施設があると感覚が麻痺してしまいがちになりますが、僕とエマはとても恵まれているのかもしれませんね。


週末になると、ここにはたくさんの飼い主さんに連れられたいろいろな犬たちが集まってきます。

ランの中で追いかけっこをする犬たち、挨拶をしながら戯れる犬たち、フリスビーやボールを一目散に追いかける犬たち、自宅周辺ではなかなかお目にかかれないめずらしい犬たち…ドッグランではいろいろな犬を眺めることができます。
犬好きな人にしてみたら、一日中そこにいても決して飽きることはないと思います。
まさに天国です。


「犬を飼ったらドッグランで遊ばせたい」と考える人はたくさんいると思います。
寧ろ、そう考える人が大多数なのではないかと思います。
僕自身もそうでした。

でも、実際にドッグランに連れて行くと、「固まって動かなくなってしまった」とか「他の犬に吠えて攻撃しようとした」とか…自分が頭の中に思い描いていたような犬の姿とはまったく別の光景を目にするケースも少なくないと思います。

僕が飼い主さんから頂く相談の中にも、「ドッグランで上手に他のわんちゃんと遊ばせたいんです」といったものが多くあります。
人間は犬に対して、『犬は犬同士で走り回ったりじゃれ合って遊ぶことが好き』というイメージを何となく持ってしまっていますが、すべての犬がそれをできるのかというとそういう訳ではありません。


エマもこのように他のわんちゃんと挨拶はできますが、追いかけっこやじゃれ合うような遊びは滅多にしません。
僕がエマのそういった行動を目にしたのは、過去に10回程度です。
本当に相性が良い子が相手でないと、遊ぶことができないのです。
エマがパピーの頃にお世話になっていたトレーナーさんに、僕も一度質問したことがあります。
「トレーニングでエマをどんなわんちゃんとも仲良く遊べるような犬にすることはできますか?」と聞いてみました。
僕の質問に対するトレーナーさんの回答はこうでした。

「いえ、エマちゃんにはこれ以上は無理です。」

そして、そのトレーナーさんはこう続けました。

「エマちゃんは犬同士でちゃんと挨拶できますから、それで十分です。犬同士で遊ぶことが、犬のすべてではありませんから。飼い主さんをいつも見ている犬にすることの方が大切なんです」



これは学校で学んだことですが、ヨーロッパでは飼い主さんが犬同士を挨拶させたり遊ばせたりすることはないそうです。
なぜなら、「いつも飼い主が一番」でないといけないから…だそうです。
ヨーロッパの多くの国ではノーリードの状態で犬を散歩させますが、リードがなくても犬が他の犬のところに行ってしまうことはないそうです。
逆に、他の犬に勝手に寄って行ってしまうような犬は、しつけができていない犬と見られてしまうそうです。
人と犬が一緒に作業を行うという文化が定着しているヨーロッパらしい考え方ですね。


片や日本では…犬を作業犬としてではなく、愛玩目的で飼うことがほとんどです。
そして、犬と一緒に散歩するためには、犬をリードで繋がなければなりません。
更に、散歩中に出合った犬同士は、必ず挨拶をさせないといけないかのような雰囲気を感じることが頻繁にあります。

僕もエマを飼い始めてパピースクールに通っていた頃には、「犬同士はしっかり挨拶ができないといけない」とか「ドッグランで問題を起こさずに遊べるようにしないといけない」と、そう考えていました。
でも、今はその考え方もすっかり変わりました。
それは、犬のトレーニングについて学校で多くのことを学んだから…という事もありますが、散歩中の挨拶やドッグランの中で飼い主さん同士が犬に無理をさせてしまったために起きた事故を、自分の目でたくさん見てきたからだと思います。


ドッグランは、犬がリードから解き放たれて自由に遊ぶことができる楽しい場所です。
しかし、犬が自由に動きまわれるが故に、大きな事故が起きる可能性のある場所でもあります。
自分の犬をどんなにしっかりコントロールできるようにトレーニングしたところで、そのランの中にいる犬がどんな性格なのか、飼い主さんが自分の犬をどれだけコントロールできるのかを把握することは不可能です。
だから、ドッグランを利用するすべての飼い主さんは、大きな事故が起きないように自分の犬をコントロールすることと守ることに、常に気を配る必要があります。
二頭の大型犬が本気で喧嘩を始めたら、大人4人でも止められないケースもあります。
そして、喧嘩の始まりが二頭でも、その喧嘩は周りの犬たちに飛び火していきます。
そうなると、ランの中は修羅場と化してしまいます。

舎人公園にあるような無料で使える大きなドッグランでは、そのような事故が起こりやすくなります。

事故が起きたときに、身体と心に傷を負うのは犬たちです。
ドッグランで遊ぶことに向かない性格の犬もいますので、飼い主さんはしっかりと自分の犬の性格を見極めてから、ドッグランの利用を検討してみてください。


以前に、犬慣れしていない犬の犬慣れトレーニングで、ドッグランの外側を利用したことがあります。
その犬をドッグランの外側に連れてきて、たくさんの犬を見させながらおやつを食べさせたり、おもちゃで遊んだりして落ち着かせる…というトレーニングです。
中に入るだけがドッグランの利用法ではないと、僕はそう思っています。


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2014年9月17日水曜日

犬のトレーニングを終了させるタイミング


人間…いや、どんな生き物でもそうなのかもしれませんが、好きなことをしていたり、時間に追われて必死に作業していたりすると、ついつい周りが見えなくなって時が経つのを忘れてしまいがちになります。


僕は趣味でギターを弾くことがあります。
弾きたいフレーズを思い通りに楽しく弾けている時に、ふと気付いて時計を見ると、自分が思っていた倍以上の速さで時間が経過していたりします。
逆に…弾いても弾いても上手く弾けない時には、「いやいや、こんなはずじゃない…もっと上手く弾けるはずだ!」とムキになって、思い通りに弾けるまで練習を続けたりすることもあります。
でも、そんな時は大抵の場合、上手く弾けないまま練習を終えることになります。
そういう時も、自分が考えている以上に時間が経ってしまっていたりします。
しかも、成果が上がっていないという…(^_^;

前者の場合、その後の予定に影響が出なければそれでいいと思います。
楽しい時間を過ごせて、気持ちも満たされるのですから。

でも、後者の場合はどうでしょうか。
時間は使うわ、成果は上がらないわ、思い通りに弾けずにストレスが溜まるわ…と、何も良いことがありません。
「こんなことになるのなら、最初からギターなんて弾かなければよかった…」ということになってしまいます。
頭ではわかっているのに、指は付いてこない…集中しているのに、モチベーションは落ちている…好きでやっているはずなのに、うまくいかないということは多々起こります。


また無理やりの関連付けてしまいますが、これは犬のトレーニングでも起こることです。

人間と犬の調子が最高に良い時は、トレーニングがどんどん進んでいくと思います。
これは最高に楽しい時間になるはずです。
あっという間に時間が過ぎていくことでしょう。
でも…どんなにトレーニングが順調に進んでも、やり過ぎには要注意です。
どんなに犬の調子が良くても10分間ぶっ通しでフセの練習ばかり続けさせられたら、いくらご褒美がもらえたとしても、犬のやる気と集中力はどんどん落ちていってパフォーマンスが悪くなります。
犬は人間の言葉で「ちょっと休憩したいよ」とか「続きは明日にしよう!」なんて意思表示をすることはできませんので、人間がしっかりと練習の止め時を見極めてあげる必要があります。
これはよく言われていることですが、「もうちょっといけそうだな…もうちょっとやりたいな…」というタイミングでトレーニングを切り上げるのがベストです。
これは、犬に失敗を経験させないためです。
成功のままトレーニングを終えたほうが、犬の中にもそのトレーニングに対する良いイメージが残って、次のトレーニングでの成功に繋ぎやすくなります。
また、一度失敗が始まってしまうと、そのままトレーニングを続けてもベストと同等のパフォーマンスを引き出すことが難しくなります。
なので、ベストのパフォーマンスが見えそうになったところで、しっかり犬を褒めてあげてトレーニングを終わらせることが望ましい行動の定着への最短距離になります。
もし失敗させてしまったら…少しレベルを下げた形(おやつで誘導する等)でも良いので、確実にその行動を成功させてからトレーニングを終了します。

では、トレーニング開始時からどうにも上手く行かない場合は…
いろいろとやり方はあると思いますが、レベルを下げたトレーニングで一度成功さてあげて、その後は自由に遊ばせて上げたほうが良いと僕は考えています。
そして時間を置いてからもう一度トライしてみて…大丈夫そうなら続ける、それでも、ダメそうならまた明日…という感じで、犬に無理をさせて失敗経験を積み重ねさせることを避けます。


僕のギターの練習の話ではありませんが、やってもやっても成果が上がらない場合は、失敗とストレスを山積みしていくよりも、一度スパっと止めてしまうことが大切だと思います。
人間だって犬だって、気乗りしない時もあるし、上手くできない時だってあります。
『調子が悪い時は調子が悪いなりに、その時にできることだけをしっかりやる』
必死になりすぎると忘れがちですが、これはとても重要なことです。
上手くいかなくてムキになりそうな時は、一度深呼吸をして、自分自信をコントロールしていきます。

そして、必ず犬に対しては「いい子だったね!」と、褒められて終わる形を作ってあげることも忘れないようにします。


僕のギター練習も、自分をきっちり褒めて終われるように、ダメなときはレベルダウンして練習するように心掛けないといけませんね…

そんな事を感じた、今日の実習でした。


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2014年9月16日火曜日

【DT005-02】 黒シュナとお散歩トレーニング


エマが通っていたパピークラスには、黒のミニシュナ(♀)の同級生がいました。
そのクラスに通っていたシュナは、エマとその子だけでした。
ベリーちゃんというその黒シュナとエマはとても相性が良くて、他の子とは決して体を接触させるような遊びをしなかったエマが、なぜかそのベリーちゃんとだけは上手に遊ぶことができました。
お互いに何か特別な絆のようなものを感じたのかもしれません。
一般的にイメージされやすいシュナの色はソルト&ペパーだと思うですが、「黒もいいなぁ…いつか飼ってみたい」とその時に思いました。

今現在、その夢を実現するに至っていませんが、できればジャイアントでその夢を叶えたいと思っています。


今日、トレーニングで伺ったお宅には2頭のミニチュア・シュナウザーが家族として迎えられています。
二週間前にカウンセリングで伺ったお宅です。
カウンセリングの時は雨天だったためにその行動を確認することができなかったのですが、飼い主さんがお困りなっているのは『8ヶ月の黒シュナ(♀)の他犬への吠え』ということだったので、今日はお散歩に同行させてもらって黒シュナの行動を観察させてもらいました。

「散歩の開始直後は興奮して引っ張る」と飼い主さんから聞いていたのですが、いろいろと試してみたらヒール・ポジションン、ヒール・ウォークをすぐに覚えてくれて、「前に出て引っ張ると散歩が止まってしまう」という事も理解くれました。
これを習慣付けることによって引っ張る行動は改善されるはずなので、飼い主さんに散歩中と家の中でその練習をしてもらうようにアドバイスさせてもらいました。

そして、肝心の『他犬への吠え行動』です。
10メートルくらい離れた場所いにいる犬を見つけると犬に対しての反応(軽い吠え)が始まりますが、おやつ等を使えば人間に集中させることができました。
ただ、他犬との距離が3メートルくらいになると、吠え方が少し激しくなり人に集中させることが難しくなりました。
狭い道路での散歩中に他犬と擦れ違う場合は少しコントロールが難しくなりそうなので、飼い主さんにはその方法をお伝えして、頑張ってトレーニングを続けてもらえるようにお願いしました。

この黒シュナの子の場合、他犬への吠えは攻撃的なものではなく、「興味があって近付きたい」という気持ちで吠えているようでした。
実際に飼い主さんからも、「わんちゃんに近付いてしまえば吠えないで挨拶できる」というお話しを聞いているので、「早く近付きたい!」という強い気持ちが吠えに繋がってしまっているようです。
これも習慣付けが大切になることなので、飼い主さんには「落ち着くまでは他の犬に近づけない」練習をしてもらうようにとアドバイスさせてもらいました。

まだ8ヶ月でとても賢くすぐにいろいろと覚えてくれる子なので、トレーニングを続ければ確実に成果が出てくるはずです。


以前の記事で、シュナは咬むとか吠えるとかいろいろ書いてしまいましたが、基本的にミニシュナは賢くて何でも覚えてくれます。
そして、吠えるとは言っても、状況が安定すると吠えるを止めて必ず静かになる瞬間があります。
なので、必ず褒める瞬間があります。
これはシュナに限ったことではありませんが、興奮しやすい子は何かできたときやいたずらしたときに声を掛けるのではなく、何もしていないときに『いい子だね』と声を掛けてあげることが大切だと思います。
それによって、「何もしていないことが良いこと」だと、犬は学習してくれます。


本当にミニチュア・シュナウザーは素晴らしい犬です。
「一緒に苦労してみたい」と心から思えて絶対に前言撤回しない方には、是非迎えてもらいたいと思います。
一緒に苦労して苦労して5年経った時、「ああ、やっぱりシュナでよかったな…」ってきっとそう思えるはずです。

あっと…ミニシュナはいろいろ覚え始めると、先回り行動を連発するので十分にお気をつけください(笑)


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2014年9月14日日曜日

【DT006-01】 キャバリアのお仕事


今日は4ヶ月のキャバリアを飼い始めたお宅にカウンセリングでお伺いしました。

キャバリアの正式犬種名は、『キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル』です。
少し長めの名前なので、しっかり暗記して発音練習をしておかないと噛んでしまいそうです(笑)

このキャバリア・キング・チャールズ・スパニエルは、ある絵画に描かれている犬と同じ犬が欲しい…というアメリカ人の呼び掛けによって作られた犬です。
所謂『コンパニオンドッグ』に分類される犬種です。
さて…過去の記事『どの犬も作業のために作られた』と書いたと思うのですが、コンパニオンドッグ(愛玩犬)の作業・仕事はなんでしょうか。

「愛玩犬なんて人に愛想振りまくだけでしょ?」と仰る方もいますが、それがコンパニオンドッグの仕事です。
人間で言うところの『接客業』がコンパニオンドッグの作業・仕事になります。
この記事で書いたセミナーで、藤田りか子さんからのお話しにもありましたが、コンパニオンドッグには『人に慣れやすい・人懐こい』という気質が必要になります。
なので、すべてのコンパニオンドッグはそのような気質・性能を持つように作られています。
ヨーロッパでは、コンパニオンドッグもそのような気質をしっかり保つようにブリーディングが行われています。
コンパニオンドッグにとっては、その『人に慣れやすい』という気質がとても重要な要素となります。
見た目だけかわいらしければそれでいいというわけではありません。


僕はここまでの間、キャバリアと触れ合ったりトレーニングをしたりする機会がほとんどなかったのですが、今日、キャバリアの子と一緒にトレーニングをしてみてこう思いました。

『これはトレーニングしやすい! 楽しい!』

他の犬種の子とのトレーニングが楽しくないという訳ではありません(^_^;
でも、キャバリアは他の犬種の子よりも、こちらが誘導をしなくてもどんどん積極的に人に対して興味を持って向ってきてくれます。
最初は飛び付こうとしたりしますが、こちらと対峙してくれる時間も長いので、「飛びついたらいけない…座ったほうが得だ!」という事もすぐに覚えてくれます。
指示も入りやすいせいかこちらもどんどんノッてきて、トレーニングに熱が入ってしまいます。

『これぞコンパニオンドッグ!』

コンパニオンドッグ達は、『どう振舞えば人間が喜んでくれるのか』をしっかりと理解して、そのように行動しています。
これがコンパニオンドッグに分類される犬たちの魅力であり、持っていないといけない気質です。
これは偶然の産物でも当たり前の事でも簡単な事でもなく、彼らはそうなるようにブリーディングをされているのです。
テリアがネズミを捕らえる能力を生まれ持っているように、ボーダー・コリーが走り回って羊を寄せ集めるる能力を生まれ持っているのと同じように、コンパニオンドッグたちは人間に懐いて喜ばせる能力を持って生まれてくるように作られているのです。
日本のような犬事情の国では、ある意味最も本来の仕事をさせてもらえる犬種なのかもしれません。

コンパニオンドッグを侮ってはいけません。
彼らも立派に仕事を持っていて、その使命を懸命に果たそうとしているのです。


ウチはミニシュナを9年前に迎えたのですが、その時に嫁は最後の最後まで『キャバリアがいいなー』と言っていました。
9年前は嫁が譲ってくれましたが、どうもその時のことをまだ憶えているようで…(^_^;
そんな訳で、いつの日かキャバリアがウチの家族になるかも…しれません。


でも念のため…
コンパニオンドッグなら手が掛からずに楽に飼えるかというと、そんなことはありません。
今回伺ったお宅の飼い主さんも、しっかりとわんちゃんに関する悩みをお持ちです。
トイレやフードに関してお悩みのことがいくつかあったので、効果の出そうな対処法をいくつかアドバイスさせていただきました。
ご家族の皆さんも含めてわんちゃんのしつけついて真剣に考えてくださっているの飼い主さんなので、少しずつでも必ず良くなっていくはずです!

キャバリアという犬は、こんなご家庭にはぴったりの犬だと思います。
次回のトレーニングがとても楽しみです。


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2014年9月13日土曜日

犬に刺激を背負わせない立ち位置


今日は久しぶりに店舗の実習に入らせてもらいました。
店舗にはたくさんのわんこたちがいます。
久しぶりに会う犬、初めて会う犬、見ているだけでワクワクしてきます。
卒業後もいろいろな犬のトレーニングをいつでもさせてもらえるアカデミーのシステムには、本当に感謝しています。


今日の実習でも何頭かの犬のトレーニングをさせてもらったのですが、新たな学びがありました。
気になるものを見つけるとそちらに走っていってしまうじっとしている事が苦手な♂のわんちゃんとのシットステイ・トレーニング中のことです。

元気が良くて走り回ったり飛びつこうとしたり…というわんちゃんだったので、最初はオスワリの体勢に誘導することも難しかったのですが、尾の動きを見て落ち着いているタイミングでオスワリに誘導…を2、3回繰り返しているうちに、しっかりオスワリをしてくれるようになりました。
一度オスワリをした後は数秒じっとしていられるようだったので、マテの時間を少しずつ延ばしていきました。
それを繰り返すことによって、そのわんちゃんは10秒くらい待てるようになりました。

が…何かしらの気配をを感じると、そちらに向って走っていってしまう…
窓ガラスの向こう側の道路を歩く人、プレイルームの外にいるトレーナーさんや犬、色々なものが気になるようで、自分の周りで何かが動く気配があるとそちらに向って走っていってしまいます。
そして一度フリーにしてしまうと、またテンションが上がってしまうので、改めてそのわんちゃんを落ち着かせるところからスタート…

そんなことを何度か繰り返していたら、店舗のトレーナーさんがアドバイスをくれました。

『犬と刺激の強い場所の間に立ってみてください。そうすれば、犬の視線に立ちふさがることもできるし、犬が刺激に反応してそちらに向って走り出しても前に立ちふさがることができますから。』

なるほど…僕は今までずっと『犬に刺激になるものや場所を見せないように見せないように』と、犬の背後に刺激になるものや場所がくるような立ち位置でトレーニングをするようにしていました。
でも、その状態にされて背後で気配や物音がしたら、犬は嫌でも反射的に振り返ってしまいますよね。
そして、それが魅力的なものであれば、そちらに向って走って行ってしまっても仕方ありません。
犬だけではなくて、人間だってそうしてしまうはずですから。

そして、『犬が自分の判断で動き出してしまったらその前に立ちふさがる』という人の動作は、基本中の基本でした。
忘れかけていました…(^_^;
今日、それを思い出させてもらって良かった!
本当に助かりました。

犬のトレーニングをするときの刺激に対する位置取り、大切ですね。
『犬には刺激を背負わせない!』
また一つ勉強になりました。
これからのトレーニングにしっかり活かしていきたいと思います。


今日で実習時間の累計が235になりました。
でも、実習から学ばせてもらうことはまだまだたくさんありそうです。
先生が仰っていた【300時間】に届くかどうかはわかりませんが、年内は時間の許す限り実習に入らせてもらおうと思っています。
激しく色落ちしたユニフォームが年末まで持ち堪えてくれるかどうか…(笑)


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2014年9月11日木曜日

ほんの少しだけ勇気が足りない人のための『イリュージョン』


僕は子供の頃から本が好きです。
本を読むペースは、週に一冊といったところでしょうか。
その本に書かれている文章をしっかり理解、把握しないと先に進めないタチなので、その本の内容が難しくなればなるほど読むペースは遅くなります。
せっかく読むからにはしっかりとその本の内容を理解したい・・・そう思いながらゆっくりと読み進めます。
それでも、一度読んだだけでは理解できない難しい本もたくさんあります。
古い専門書などは、とても日本語とは思えないような難解な文章のオンパレードだったりしますので…


去年は一年間、心理学の本ばかりを読んでいました。
「会社を辞めてドッグトレーナーになる学校に通って犬の仕事に携わる」ということを去年決めたのですが、それを決めた後も将来的なことはやはり心配で、自分の考えに確固たる自信を持つことがなかなかできませんでした。
そんなこともあって、心理学の知識を得て、自分自身が物事に対峙する時の気持ちや考え方を変えられるように…と、心理学の本を読み漁りました。
最終的には本を読むだけでは飽き足らず、心理カウンセラーにセッションをお願いして「自分がこれからやろうとしていること」についての相談をさせてもらったりしたのですが、それはそれで面白い経験になり、自分の考えに間違いはない!ということの確認もしっかりできました。
それが、今の僕のベースの一部になっています。


そして、今年に入ってからももちろん読書は続けていますが、読んでいる本はすべて犬の本です。
ドッグトレーナーになるための勉強をしているのですから、当然ですね(笑)
犬の本と言っても、一般の飼い主さんが読むしつけ本とは違って、犬の学習理論や行動心理学に基づいて書かれているトレーニングの本なので、内容もより専門的なものとなっていて、正直、読み始めて2~3分で眠くなってくるものもあります(^_^;
どの分野の本でもそうですが、専門書は使われている用語や文章表現が難しくて、その内容を理解するために何度も何度も読み直しをすることが少なくありません。
何度も何度も同じ文章を読み返して、用語を調べて、理解して…を繰り返しているうちに眠くなってきたりするわけですね(笑)
でも、理論に基づいた犬のトレーニングを飼い主さんにわかりやすくお伝えできるように、少しずつですが難しい本の内容も理解して自分の中に取り込んで行っています。
読みたい犬の本はまだまだ山のようにありますから、間違いなく一生犬の勉強は続くことになると思います。


でも、ここ数日間は、心理学とも犬のトレーニングとも関係のない所謂『小説』と呼ばれる類の本を久しぶりに楽しみました。

その本は、アカデミーの先輩がSNS上(ブログだったかもしれません)で紹介してくれていたリチャード・バック『イリュージョン』という本です。

著者のリチャード・バックという人は、作家ですが飛行機乗りでもあります。
この『イリュージョン』という物語にも、フリートとトラベル・エアという飛行機が登場します。

本来であれば、ここでこの本のあらすじを書いて紹介するのところなのですが…すみません、僕にはこの本のあらすじを簡潔にまとめることができそうもありません。
書き出すともうすべてをここに書いてしまいそうで…(^_^;
ボロボロとネタバレさせてしまいそうなので、止めておきます。

ただひとつ言えることは、この本を読むと『間違いなく勇気をもらえる』ということです。

やりたくないことはやめていいし、やりたいことをやっていい。
そして自由にそれを探しに行っていい。

この本はそう言って、そっと背中を押してくれます。
あと一歩…の勇気が出ない人には是非読んでもらいたい一冊です。

そこそこの生活をするために嫌なことを我慢して過ごすよりも、ギリギリで明日はどうなるかわからないけど好きなことをして過ごす方が遥かに心豊かで幸せになれるということを、『イリュージョン』という本は教えてくれます。

この本を読み終えたとき、僕は心理学の本から学んだことや心理カウンセラーからセッションの中で教えてもらったことを思い出していました。

まず、やりたくないことを捨ててしまってください。
それからやりたいことを始めてください。
いらないものを捨てるほうが先です。
いらないものを捨てないと、何も入ってきませんから。

僕はこの本を読んで、去年から今年に掛けて決心して進めてきたことに間違いはなかったと確信しました。
嫌なことを我慢して保障されない将来よりも、何があるかわからなくて怖いけど希望の持てる少なくとも自分が好きなことをできる未来を選びました。

この世界が現実なのか幻影なのか、それは僕にはわかりませんが、僕は『イリュージョン』を信じています。
何れは誰もが向こう側にいくことになるのですから、どうせなら生きているうちに自分が選べる向こう側に行ってみたいと思っています。
とにかく行って見なければわからないし、それで不幸になるわけではないのですから。

生涯を掛けても見つけられるかどうかわからない本当にやりたいこと、もしそれが見つかったのなら絶対にそこに向っていくべきなのだと僕は思っています。
限界など、自分で決める必要はないのです。


【旧訳版】
※村上龍氏の翻訳です。もう中古しかないようです。



【新訳版】
※こちらの方が淡々と話が進んでいきます。こちらも中古のみ。



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2014年9月10日水曜日

犬のせんべい


僕が住む草加は、『草加せんべい』で有名な町です。
というか、草加せんべいの他には有名なものが何もないのですが…(笑)


僕の自宅のそばに、『いけだ屋』というせんべい屋があります。
テレビにもたまに出る、この辺りでは結構有名なせんべい屋さんです。

その『いけだ屋』では、こんなせんべいが売っています。


犬用草加せんべいの『草加犬餅』です。
せんべいの町草加らしい犬のおやつですね。

これをエマに与えると…


喜んで食べます。
人間も食べられるものなので、僕も試食してみました。

犬用なので、ほとんど味はありません。
人間にしてみたら、物足りないというか、塩か醬油をかけて食べたいな…というお味です。

でも、サクサクと食感が良いという事もあって、大抵のわんちゃんは喜んで食べてくれます。


この犬用せんべい、『草加犬餅』以外にもあるようで…
嫁がお友達からこんなものをもらってきました。


犬用せんべいの『五穀わんべい』

犬餅とかわんべいとか、最近の犬のおやつは多種多様です(笑)

この『五穀わんべい』は、玄米・白ごま・はと麦・ひえアマランサスが入った自然栄養せんべいだそうです。
ところで、アマランサスって何?

そして、この『五穀わんべい』のパッケージの裏側にはこんなことが書かれています。


何やら、『五穀わんべい』「飼い主と愛犬が一緒に食べると仲良くなれる」らしいので、早速エマと一緒に食べてみることにしました。


こちらも『草加犬餅』同様、人間が食べるには味が薄すぎます。
が、白ごまが効いているせいか香りが良くて、結構おいしく食べられます。
塩分控えている人にはちょうど良いかも…です(笑)


基本的に犬は肉類だけ食べていれば生きていける生き物ですが、たまにはこんなおやつも気分転換になって良いかと思います。
少し粉が出ますが、小さく割りやすいので僕はこういったおやつもトレーニングに使っています。


今ちょっと調べてみたら、この『五穀わんべい』はamazonでも取り扱っているようです。



『草加犬餅』はamazonでは売っていないので…(笑)
直接いけだ屋さんに行くか、いけだ屋さんのオンラインショップで購入してください。


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2014年9月8日月曜日

犬の行動の般化


二週間ほど前の記事で、簡単な犬のトリックについてお話ししました。
『飼い主さんとわんちゃんが一緒に何かをすることはとても大切で、それによって絆が生まれますよ』といった内容をその記事に書かせてもらったと思います。

その犬のトリックですが、家の中で練習して「もう完璧!」というくらいできるようになると、愛犬が習得した技を披露してみたくなりますよね。
公園やドッグランで仲の良い飼い主さん達から「ちょっとやって見せてー」なんて言われたりして…

で、「何度も練習して100パーセントできるようになった技を見せてやる!」と、勢い込んでコマンドを出したけど、犬がポカーン…とした顔してフリーズ…結局、何もできなかった…なんて経験をされた飼い主さんも多いのではないかと思います。

これはなぜか…
なぜかと言うと、『般化』ができていないから…ということになります。

『般化』とは何かというと、これは心理学用語で…えーと、僕は心理カウンセラーではないので詳細な説明は省きます(笑)
わかりやすく平たく言うと、般化とは『いつでもどこでも誰とでもその行動をできるようにすること』を言います。


これは犬に限ったことではなく、人間にも同じ事が言えます。

例えば、ピアノの発表会を例に考えてみます。
普段、自宅の練習では何の問題もなくノーミスで弾ける曲があったとします。
でも、その曲を発表会で弾くとなったら…いつもと違う場所、いつもと違うピアノ、たくさんのオーディエンス…と、いつもとは違う環境でその曲を弾かないといけなくなります。
すると、途端にプレッシャーが圧し掛かってきて、自宅での練習では絶対間違えないような箇所でミスタッチ…といった事が起きるわけです。
これも前述した犬がいつもと違う環境でトリックをできなかったことと同じで、『その行動が繁華で着ていなかったから失敗した』ということになります。

じゃあその行動を般化させるにはどうしたらよいか…
これはもう『様々な環境下でその行動を繰り返し行う(トレーニングする)こと』が一番です。

下の動画は、先日の記事に乗せた動画でエマが家の中でやっていた『スピン』『ターン』『アラウンド』の一連の動作を、近所の公園で練習している時の様子です。


家の中ではしっかりと『スピン』『ターン』『アラウンド』ができるエマでも、やはり最初は全然できませんでした。
ぽかーん…状態で(笑)
でも、何度か公園で練習するうちに、家の外の刺激が多い場所でも家の中と同じようにその行動ができるようになってきます。
これが『般化』です。

で、この動画ですが、どちらかというとエマよりも僕がダメです(^_^;
エマは『ターン』の回転が苦手なので、『失敗させたくない!』という思いが出すぎてしまって、僕の声が必要以上に強く力んでしまっています。
僕がエマの『ターン』を信用し切れていないということになります。

こういった人間の緊張や強い思いも犬には伝わりやすいので、トリックに関しては犬の般化と同時に飼い主さん本人の般化も必要になります。
人間の緊張で犬をフリーズさせたくないですものね(笑)
まずは、大きな声でしっかりと犬に伝わるようにコマンドを出してあげる事が大切です。
『周りの目を気にしない』、これがポイントです!


今回の記事では、トリックを例にして般化のお話しをしましたが、これは『オスワリ』、『フセ』、『マテ』でも同じことです。
家の中でできるようになっても、どこでもできるようにしておかないと、必要な場面で実践する事ができません。

家の中でできるようになった行動は、少しずつ刺激の高い場所で練習してみてください。
まずは玄関で、それができたら玄関先、それができたら家の前の道、次に人の少ない公園、その次に人多い公園…と、どんどんレベルアップして、その行動を般化していってみてください。


『いつでもどこでも誰とでも』

犬に教える行動については、すべてこれが最終目標となります。


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2014年9月7日日曜日

女子会という名のメソッド


今回の記事は、犬とは全く関係のないお話です。

『中目黒』という街に纏わるお話です。


僕は昔からこの土地に何やかんやで縁があります。
まぁ、住むことはできませんけど(笑)


この街には、僕が今年の1月から6月までの半年間通っていたトレーナー養成学校があります。
今も二週間に一度ほど、実習に入るために中目黒に来ています。


そして、社会人になったばかりの22歳の時にも、2年間毎日ここに通っていました。
偶然にもアカデミーのすぐ近く、今はマンションと運送会社のターミナルになっている場所にあった某企業でソフトウェアの開発業務に携わっていました。

それはもう20年以上も昔の話で、中目黒は今のようにおしゃれな街ではありませんでした。
というか、飲み会の時はタクシーで恵比寿か目黒まで出ないと大人数で入れる店がないというくらい何もない街でした。
バンタンもポルシェのディーラーもなく、今は立派なスタンレーの本社も古ぼけたビルでした。
その当時は目黒警察の近くに銭湯もあって、泊り込みの仕事が続いたときにはよくお世話になりました。
今の中目黒には、その当時の面影はもうほとんど残っていません。


そんな中目黒に、今日は完全なお遊びでやってきました。



古くからの友人と、昼間からパスタとワインを頂いて…


二件目に移動して、大好きなポテトフライをつまみながらまたワインを頂いて…


いつもいつも同じような昔話をしたり、読んだ本の話をしたり、音楽の話をしたり、近況報告チックな話をしたり…

僕が中目黒に通っていたという事もあるのですが、たまにこの街でその友人と会って、ワイン付きランチを頂きながら他愛もない話を夜まで延々と楽しむ…という感じです。

日曜の昼間からおっさんが何やってんだ?って話なんですが…(笑)

社会人になった22歳から去年までの20数年間、僕はこういう時間を持たなさ過ぎたような気がします。
「普通そんなことしないだろ。したらいけない」とか「そんなことする時間あるなら他にやることあるだろが!」とか、何だかよくわからないつまらないルールを一生懸命作って、自分をそっち側に一生懸命押し込んでいました。
いろいろと余裕がなかったんでしょうね、自然とそうしていたのですから…
そうする事が楽で、そうすることに安心していたような気もします。
でも、いつの間にか知らぬ間に、結果的には自分で自分を脅迫して追い詰めていたようです。
もったいないことしていたなぁ…という気もしますが、死ぬ前に気付いてよかった…と、今はそう思っています。


話を戻します。
その友人はこの集まりを、なぜか『女子会』と呼んでいます。

「おっさんが集まって飲み食いして話しまくって女子会って…気持ち悪いだろ…」と言ったら、
その彼はこう言いました。
「女子会っていうのはな、誰がどうとか関係ないんだよ。女子会って言うのはメソッドなんだよ。だから、昼間に集まってパスタ食べてワイン飲んで夜まで話し続けたら、老若男女誰がやろうがそれは女子会って言うんだ」

なんか…出掛けに彼女に「女子会みたいなことするんだね?」と言われたらしく、そんな理由付けをせざるを得なくなったようです(笑)


という訳で、すみません…今回はまったく犬とは関係のないお遊びのお話しでした<(_ _)>


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2014年9月6日土曜日

トリミングはトリマーさん任せ


今日はエマのトリミングの日でした。

ウチで飼っているエマは、ミニチュア・シュナウザーなのでトリミングが必要になります。
家庭でペットとして飼育されているミニシュナの場合、1ヶ月半くらいに一度、トリミングしてあげるのが理想的ではないかと僕は思っています。

もちろん、トリミングはプロのトリマーさんに任せています。
いつもこちらの店でトリミングをしてもらっています。
エマの画像もちらちらっと使われたりしています。


シャンプー、爪切り、耳の中の毛抜き、日々のブラッシング、肉球周りの毛のカット、あとはちょっと形を整えたいときに人間用のすきバサミでのカット…その程度は自分でやりますが、体全体のカットはトリマーさんの勉強をしないとなかなか難しそうです。

バリカンも使ったことないので(^_^;


ただ、ブラシにしても爪切りにしても、パピーのうちから少しずつ慣らしていかないと、犬はそれをなかなか受け入れてくれるようにはなりません。

水もそうですね。
水が嫌いな子は、シャンプーで苦労することになってしまいます。

最初は、爪切りやブラシや水を見せるだけでも構いません。
少しずつそれに慣らしていってあげるだけで、先々大きな差が出てきます。

そんな感じで、この子も爪切りやシャンプーを嫌がらないように慣らしていきました。


話は変わりますが、近所でジャイアント・シュナウザーのトリミングをやってくれる人を探しています。
いつかはGシュナを迎えたいと思っているので、その準備として…
ただ、この辺りで大型犬のトリミングやっている店って少ないんですよね。
シャンプーだけですら断られちゃったりして…
ということで、気長に探してみます。
大型犬飼う前に引越ししないといけないですし(笑)


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2014年9月5日金曜日

犬の9歳


我が家のミニチュア・シュナウザーのエマが今日9歳の誕生日を迎えました。


9年前の11月、自宅にエマを迎えた時には、この子が9歳になる日の事なんて想像もできませんでした。
日々のしつけの事で頭の中が一杯で、それどころではなかったという事もあります。

小型犬の9歳は、人間の年齢に換算すると約50歳。
エマは僕の年齢を超えてしまったということになります。
仕方のない事とは言え、何だか切ないですね。


エマは9歳の割りに見た目は若く、健康面でも特に問題はなくて今のところ大きな病気を煩ったことはありません。
ありがたいことに、至って健康そのものです。

でも、細かいところに目を向けてみると、一日の睡眠時間が長くなったり、散歩中の休憩が多くなったり、気温の変化に弱くなったり、鼻の色が薄くなってきたり…と、明らかにエマの体は老いてきています。

シニアの入り口と言われる7歳を迎えてからは、食べ物にも気を使うようになりましたし、検診も年二回受けるようにしました。
一日でも長く、元気で楽しくエマに過ごしてもらう事ができるように、これからもできる限りの事をしていきたいと思っています。


僕自身ももう決して若いと言われるような年齢ではないので、エマに負けないように健康に気を使っていかないといけないのですが…
あまり余計なことは気にしないで毎日過ごしたほうが元気でいられるんじゃないのかな…なんて思ったりもしています。


たぶんもう折り返し地点は過ぎていると思うけど、できればあと10年、今と同じように毎朝一緒に散歩に行けるといいな…9歳になったエマを見て、そう思い、そう願いました。


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2014年9月4日木曜日

完全無視で治したミニシュナの噛み癖


『犬の吠える行動』と共に多くの飼い主さんの悩みの種となっているのが、『犬の咬む行動』です。
9年前、僕もエマの噛み癖には本当に悩まされました。

何せこんな歯してますからね、犬って生き物は。


余程の緊急事態にでも遭遇しない限り、犬は絶対にそんなことはしませんが、本気を出したら人間の指の一本二本は簡単に粉砕にできる武器を持っています。


僕が飼っているエマは、ウチに迎え入れた2ヶ月から10ヶ月の間、ずっと咬む行動をしていました。
エマの咬む行動は、所謂『仔犬の甘噛み』とは種を異にするものでした。

・エマを入れてあるサークルの扉を開けた直後、唸りながら飛び掛ってきて腕に喰らいつく
・おもちゃで遊んでいいる最中、腕に喰らいついてきて咬み、頭を振り回す
・人が立ち上がったり歩いたりすると、パンツのすそに喰らいついて頭を振り回す

これらの咬む行動を、すべて唸りながらしていました。
犬に慣れていない人だと、結構な恐怖を感じることになると思います。
今でこそ僕もそういった犬に出会っても平気になりましたが、当時は「こいつはきっと僕のことを殺そうとしている…」と本気で思っていました(笑)

そして、その当時僕がやっていたエマが咬む行動をし始めたときの対処方法です。
これはあくまでもダメな見本ですので、絶対に真似しないでください<(_ _)>

・咬んだらサークルに戻す⇒サークルに戻す間に犬に手を噛ませることになります。また、サークル等のハウスを「噛んだら閉じ込められる場所」と犬が認識してしまう可能性があります。
・咬んだらマズルコントロールをする⇒マズルコントロールは犬をリラックスさせるために使うものです。叱るときに使うと人の手を嫌いになる可能性があります。
・咬んだらホールドスチールする⇒咬んだときの対処法としてホールド・スチールを勧めるサイトがありますが、最悪の対処法です。絶対にやらないでください。犬の反撃を食らうこともあります。どんな状況であっても、一般の飼い主さんがトレーナーの指導なしに咬む犬に対してホールド・スチールを行うことはとても危険です。

これらの僕のひどい対処によって、エマの咬む行動は悪化の一途を辿り、ドッグトレーナーさんに泣きつくことになったのでした(^_^;


エマはほんとによく咬む犬だったので、「もうこんな犬はどうにもならないんじゃないかなぁ…」と諦め半分の気持ちでカウンセリングに連れて行ったのですが、カウンセリングしてくれたトレーナーさんからは、「うん、この子は無視だけで咬まなくなりますよ。全然大丈夫です。」と言われました。

「いやいや、これだけひどい咬み方しているんだから、無視だけじゃ治らないでしょう…それに、無視と言っても無視なんて仕切れないし…」

そのトレーナーさんのいうことを半信半疑で聞きながら、もうムリなのかなぁ…と思いながらも、他に縋ることもできず…
週一でパピースクール、ジュニアスクールに通いながら家では咬まない練習を毎日毎日に続けて・・・

なんてことをしていたら、治っちゃったわけですね、エマの咬み癖が…

「ああ、なんかドッグトレーナーってすごい人種だなぁ…僕にはとてもできやしない…」

当時はそう思っていましたが、今はもう、僕もそんなこと言っていられないというか、そういう「人種」にならないといけない立場になりました(笑)


『咬む犬』と言ってもいろいろなケースがあります。
その犬の性格、生活環境、過去の経験等…
それを見極めた上で、犬が咬むことを止めるようにトレーニングする必要があるかと思います。
飼い主さんだけでは判断が難しい場合は、プロのドッグトレーナーに相談してみてください。


エマがパピーの頃に自宅で行っていた咬み癖矯正の方法は、こちらに詳しく書いてあります。
「ドッグトレーナーになろう」なんて夢にも思っていなかった頃の僕が書いた記事ですが、よかったら参考にしてみてください。


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2014年9月3日水曜日

地元草加の犬の飼い主さんの意識


先月からこのブログで募集させて頂いている『犬の無料出張トレーニング』ですが、ありがたいことに複数のお問い合わせを頂いて、実際に何件かのお宅に伺い、カウンセリングやトレーニングをさせて頂きました。

経験、技術共にまだまだ未熟ではありますが、少しでも多くの飼い主さんと犬たちの幸せに過ごせるようにお手伝いさせて頂けいるよう日々精進していきたいと思います。
僕自身もとても楽しんでやらせてもらっていますし、いろいろな経験をさせて頂いて本当にありがたく思っています。

ただ一つだけ、ほんの少しだけ、残念なことがあります。
それは、地元草加市内からのお問い合わせが一件もないということです。
ブログのタイトル下のコメントにも、『草加市を中心に』と記載したのですが…全く来ませんね(^_^;

犬のトレーニングに地域は関係ないので、草加市内であろうが市外であろうが、僕が伺える場所ならどこにでも行くつもりです。
場所がどこであろうが、飼い主さんと犬のためにしっかりトレーニングさせてもらおうと思っています。
でも、一件でも、問い合わせだけでもいいから、市内からあったらなぁ…と、そう思いました。


無料出張トレを続けている理由のひとつとして、『どの地域からどれくらいどのような問い合わせがあるのか?』を知りたいから…という事があります。
そういったリサーチ的な意味合いもあって、今も無料出張トレーニングを行っています。

市内には犬のしつけを行っている施設もあるので、そちらを利用しているから無料出張トレは不要です…ということなのかもしれません。
確かに、経験のあるトレーナーにトレーニングしてもらったほうが間違いはないはずですから…
それならそれでいいのです。

が…

地元に対してこういう言い方はあまりしたくないのですが、この地域の飼い主さん達の犬に対する意識は東京、神奈川に比べたらあまり高くはありません。
すべての飼い主さんがそうだとは言いませんが、平均を取ったら東京、神奈川にはかなり後れを取っていると思います。
犬のしつけに関する教室も少ないですし、犬と一緒に入れる店もほとんどありません。
利用者がいないだろう…と思われているからそういったものができないのか、そういった施設ができないから飼い主の意識が上がらないのか…

草加ではないのですが、無料出張で伺った県内のある飼い主さんからは、こんな事を言われました。

『この辺りはもっと犬関連の施設があると思ったんだけど全然なくて…作ってください。』

今は少ないけれども、草加にも需要は少なからずあると思っています。
街もどんどん変わってきているし、犬を飼う人も犬も増えています。
後はその需要を掘り起こせるか、飼い主さんの意識を高いほうへ変えていけるかどうか…
それもきっと僕の仕事なのだと思います。

ひとりの力ではできないこともあるかと思いますが、心から願えばきっと協力者も見つかると思うので!


ということで、引き続き犬の無料出張トレーニングも募集しておりますので、興味がある飼い主さんはご連絡ください。


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2014年9月2日火曜日

「構うなっ! 放っておけ!」という犬のコマンド


散歩中に勝手に地面の匂い嗅ぎを始めようとしたり、前から歩いて来る人や犬にロックオンしそうになったり…と、犬の「飼い主に対する集中」が切れそうな状況になった時ってどう対処するのが一番いいのだろうか…

刺激に弱くて集中力が切れやすいエマのような犬を飼っている僕は、常日頃からそんなことばかり考えていました。
そして、今まで色々な対処方法を試してきました。

『名前を呼んでアイコンタクトを取ってオスワリをさせる』

これが一番理想的だと思います。
これができれば何の問題もありません。

でも…
何かに対して夢中になっていたり興奮していたりする犬は、名前を呼んでも簡単にこちらを振り返ってはくれません。
呼んでも呼んでも集中をこちらに向けてくれないと、ついつい語気も強まって、

『ぅえぇぇぇーーーむぁぁぁーーーっっ!!』

と、怒りモードで呼んでしまったりとか…(^_^;

ただ、僕個人としては、怒りながら大声で犬の名前を呼ぶことは、普段はできるだけやらないようにしたいと思っています。
なぜなら、本当に怒鳴ってでも犬の行動を抑制しないといけないような最悪の場面に出くわした時、それが効かなくなる可能性があるからです。
できればそういう非常時の備えとして『犬の名前の怒鳴り呼び』はキープしておきたいのです。


じゃあどうすれば…ということでずっと考えていたのですが、とある人から『ああ、それならこんなのあるけど、試してみたら?』ということで、こんなコマンド教えてもらいました。


これは『リーブ・イット(Leave it)』というコマンドです。

"Leave it"は日本語に訳すと、『構うな』とか『放っておけ』という意味になります。
要するにこれは、「気になるものがあっても放っておいて」とか「向こうから何が来ても気にするなよ」という、飼い主から犬に対する指示になります。

動画の例の場合、エマが勝手に匂い嗅ぎをしようとしたので、僕が『リーブイット!』と指示を出しました。
すると、エマが匂いを嗅ぎに行くのをやめて僕のほうを注目してオスワリしました。
やろうとしていた匂い嗅ぎを止めて、しっかりこちらを見る事ができたので、おやつを与えてエマを褒めました。

『アイコンタクト使えばいいじゃん』

そんな声が聞えてきそうなんですが…(^_^;

アイコンタクトとリーブ・イットの大きな違いは、「犬の名前を呼ぶか呼ばないか」にあります。
前述したとおりですが、僕はその犬の名前を大切に扱いたいと考えています。
なので、強めな大きな声で犬の注目を自分に向けるときは、アイコンタクトではなくリーブ・イットを使うようにしています。
「エマ!」と名前を呼ぶよりも、「リーブイット!」とコマンドを繰り出した方が、毅然とした態度で犬に向って指示を出せるから…という理由もあります。
そういう飼い主の毅然とした態度や気持ちは、犬にも伝わりやすいものですからね。
刺激の強い場所や状況で犬の集中が切れそうになったときは、名前を呼ぶよりも、このリーブ・イットを使ったほうがこちらをしっかり見てくれると、僕はそう思っています。


下の動画ですが、やはりエマが同じように勝手に草の匂いを嗅ぎに行こうとしたので、僕がリーブ・イットでそれを止めさせてこちらを向かせようとしています。
ただ、エマにとってはかなり気になる匂いだったのか、一度では僕のほうを見ません。
僕は3回「リーブイット!」と言っています。


理想を言えば、一度の「リーブイット!」でこちらを向かせないといけないのですが…(^_^;
それでも、「エマ! エマ! エマ!」と名前を3回連呼するよりは、「リーブイット!」を3回出して誘惑から引き離したほうがいいのではないかと僕は思います。


それと…まぁこれはどうでもいいことなのですが、散歩中、歩きながら日本語で「放っておけ!」とはなかなか言えませんが、英語で「リーブイット!」は言えますよね。
これは結構ストレス解消になってすっきりします。
英語がわかる人に聞かれちゃうと困りますけど…(^_^;
英語のコマンドは(日本国内だと)そういう意味での使いどころも豊富にあるので、覚えておくと楽しいです(笑)


ひとりで撮影している動画なのでわかりにくくて申し訳ないのですが、「リーブ・イット」コマンドについてはホームページでもっと詳細な説明をされているトレーナーさんがいるので、そちらも検索して参考にしてみてください。

それと、この「リーブ・イット」コマンドは、僕が通っていたトレーナー養成アカデミーで教えてもらった方法ではありません。
僕が個人的に「これは使える!」と思ってエマを使ってトレーニングしている方法になります。
「誘惑から犬を引き離してこちらに注目させる」方法は他にもいろいろありますので、その犬にマッチした方法でトレーニングしてみてください。
もし自分のわんちゃんに合った方法がわからなければ、是非プロのトレーナーに相談してみてください。


最後に…
この「リーブ・イット」コマンドを使っていると、散歩中にすれ違うご夫人に「このわんちゃん、リービットちゃんっていうの? かわいいわね。」と言われることがあるので、注意してください。
僕も僕で時間がなかったりすると、「はい、そうなんです。ありがとうございます!」と言ってその場を立ち去ったりしています。
いけませんね(笑)
これからは時間がなくとも、しっかり「リーブ・イット」の説明をしようと思います(^_^;


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2014年9月1日月曜日

【DT005-01】 シュナウザーの警戒心


ミニチュア・シュナウザーという犬は、やはり警戒心が強いな…
今日の無料出張トレーニングで二頭のミニシュナと触れ合って、改めてそれを感じました。


知らない人間がテリトリー内に入ってくれば吠える…吠え続ける。
しばらく時間が経つと慣れてきて、匂いを嗅ぎに来る。
匂いを嗅ぐと納得しておとなしくなるけど、その知らない人間がちょっとでも動こうものならまたワンワンッ!と吠える。

散歩中に前方から犬が歩いてくると、興奮して唸りながらその犬に向っていく。
でも、挨拶は意外とちゃんとできたりする。
と思っていると、その犬と離れる瞬間にワンワン大騒ぎしたりする。

基本的に人とすれ違うのは平気だけど、その人にじぃ…っと見られて目があるとワンワン!
話掛けられるとワンワン!!


これが僕の中にある『ミニチュア・シュナウザー』のイメージです。

最近はおとなしめの子も増えましたが、実際、僕が飼っているエマ(8歳♀)も若い頃はそのような行動をごく普通にしていました。
そして、ものすごく困ってドッグトレーナーさんに泣きつきました(笑)


ミニチュア・シュナウザーはアメリカやカナダのケネルクラブではテリア種として扱われているのでテリアの一種と思われている方も多いのですが、実はテリアの血は一切入っていない…という説もあります。
テリアの血は入っていないかもしれないけど、間違いなくピンシャーの血はこのミニチュア・シュナウザーという犬の中に流れています。
ミニシュナが興奮しているときのぴょんぴょん飛び跳ねる姿を見るとわかりますよね。
ああ…こいつはテリアではなくてピンシャーに近い犬なんだと…僕は元気なミニシュナを見るたびにそう思います。

本当のところはどうなのか今となってはわかりませんが、やっぱりミニシュナは飼い主が困るくらい元気であってほしいなぁ…そう思います(笑)


今日伺ったお宅には二頭の♀のシュナがいました。
どちらもシュナらしいシュナでした。
刺激に反応しやすくてピンポンにも吠えてしまう子達でしたが、物覚えも早そうだったので習慣付けだけ変えてあげれば少しずつピン吠えも減らせそうな雰囲気でした。

ただ、飼い主さんのお悩みは散歩中の吠えとのこと。
今日は生憎の天気だったので、お散歩トレはできませんでした。
エマも散歩時の大暴れが大変な子だったので、どんな雰囲気かは何となく想像できます。
エマがお散歩トレーニングをしていた時の経験を活かして、飼い主さんが楽しくお散歩をできるように次回のトレーニングプランを考えようと思います。


やっぱりシュナらしいシュナは最高だ!


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