2014年8月8日金曜日

『犬が作ったブレイクを利用する』犬のトレーニング


唐突ですが、ローリング・ストーンズというUKのロックバンドをご存知ですか?
もう大御所中の大御所なので、誰でもバンド名は一度くらい聞いたことがあるのではないかと思います。
そのローリング・ストーンズのオリジナルに悪魔を憐れむ歌 (Sympathy for the Devil)という曲があります。
ライブでの定番曲にもなっているので、ストーンズのファンなら誰でも知っている一曲です。

もし気が向くようでしたら、この動画の2:51から始まって3:27に終わるギターのアドリブを聴いてみてください。
「時間がないー!」、「興味なし…」という方は…スルーで大丈夫です(^^ゞ

(ブログ等別サイトに直貼りはあかんようなので、聴いてみたい方はYOUTUBEからどうぞ<(_ _)>)

このギターソロは、ローリング・ストーンズのキース・リチャーズという、これまた大変有名なギタリストが弾いています。
「誰それ? 知らない…」と仰る方もいるかと思いますが、『パイレーツ・オブ・カリビアンでジャック・スパロウの父親役を演じていた人』という補足を入れると8割くらいの方には「ああっ! あの人ね!」と認識してもらえるのではないかと思います。

そしてこの16小節に渡るギターソロ、僕はロック史に残る名演奏だと思っています。
が、口の悪いテクニック至上主義のロックファンは、「こんなのギターソロとは言えない」とか「子供でももっとうまく弾ける」なんてことを言ったりします。
怖いですねー(笑)
確かにキース・リチャーズという人は、ギタリストとしては高度な技術を持っていません。
早弾きのテクニックで聴かせるタイプではなく、ノリとタメとオープンGでブルージーなフレーズを繰り出すタイプのギタリストなのです。
そのキースが弾くこの『悪魔を憐れむ歌』という曲のギターソロをこう評した人がいます。

「あの曲のギターソロは、キース・リチャーズのギターの音が鳴っていないブレイクの部分がすべてだ。ギターの音が鳴っているところしか聴いていない奴は、ブルーズの何たるかが全く理解できていないということだ。」

「ああ、なるほどね…この人、うまいこと言うな…」と、納得してしまいました。
音の鳴っているところでなく、ギターが鳴っていない休符の部分を意識して感じ取って、その後にどんな音が飛び出してくるのかを待つことがこの曲のギターソロの楽しみ方だと…そういうことなのだと思います。
確かに、ストーンズのルーツとなっているシカゴブルーズの曲のアドリブパートには、そのようなタメを効かせた名演奏が数多くあります。
きっと、キースもこの曲のギターソロでそれをやってみたかったのでしょう。


で?
これは一体何の話なの? 犬は関係ない記事なの?
と、そろそろ思われ始めていることと思います…(^^ゞ

僕が何の話をしたかったのかというと、
『音の鳴っていないの瞬間を意識して捉えることは犬のトレーニングでもとても重要なこと』
ではないかな…ということです。

人間はどうしても何かが起きている時、動いているタイミング、鳴っている瞬間を捉えてリアクションを取ろうとすることが多いのではないかと思います。
人間の五感から入ってくる情報は、その対象のものから動きが発せられたときに一番多くなるので、どうしてもその瞬間に反応したくなります。
でも、犬が何もしていない瞬間を捉えて褒めてあげなければいけないケースもあると思うのです。

例えば、吠える犬を陽性強化で吠えないようにしていくトレーニングの場合です。
このトレーニングは、人の立場からすると『犬が吠えないようにしていられる』ためにするトレーニングになります。
なので、どこで褒めるかというと…
『犬が吠えていない瞬間』
ということになります。
吠えている犬が吠えるのをやめたその瞬間を捉えておやつをあげて褒める!
吠えがブレイクした無の瞬間を捉えることが重要です。
おやつを食べていれば、その間、犬は吠えることができません。
でも、おやつを食べ終わったら、きっとその犬はまた吠え始めると思います。
なので、また吠え止む瞬間を待ちます。
そしてまた犬の吠えがブレイクしたら、犬におやつをあげて褒めてあげます。
これを何度も何度もも繰り返していきます。

手間と時間が掛かるトレーニングになりますが、このトレーニングを繰り返すことによってその犬は徐々に吠えないでいられる時間が長くなっていくはずです。
犬は吠える生き物ですから、その吠えを完全になくすことは難しいと思いますが、トレーニングによって飼い主さんが困らないレベルに吠えを減らすことはできます。
犬が吠えていないタイミングを意識して捉える、それがすべてと言ってもいいと思います。

良いことをした瞬間を逃さないことも大切ですが、問題となる行動をせずにおとなしくできている瞬間を捉えることも、犬のトレーニングには大切なことです。
トレーニングする犬をしっかりと観察して、その犬の〔無〕の瞬間を意識できるようになると、それをいろいろなトレーニングに活かせるのではないか、僕はそう考えています。


何もない無の時間というか、ってすごく大事なんだよ…と、そんな話がしたかっただけなのですが、長々とストーンズやらキースやら話で引っ張ってしまいました…すみません(^^ゞ

僕から「犬」という要素を取り除くと、後に残るのはたぶん「音楽とギター」だけという人間ですので…(笑)
大目に見ていただけると助かります(^^ゞ


今後、音楽とギターの話は控えるようにしますので、何卒…


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